2017年8月15日火曜日

XT225WE シフトレバー部からのオイル漏れ対策とクラッチのフリクションプレート交換

前のツーリングに行った時に気が付いたオイル漏れだが、部品を手配したり、やる気スイッチを押したりするのに時間がかかって、作業したのは盆休み二日目。
ツーリングから帰宅してからエンジンに付着しているオイルを拭い取って、エンジンの下に洗面器を置いて、放置していたのだが、結局作業を始める日までに100cc程オイルが抜けてしまったようだ。

オイル漏れの原因は予想通りシフトペダル部分のオイルシール(93102-12106)劣化によるもので、セロー225の持病というか、シールの経年劣化で漏れてくるらしい。

ドライブスプロケットのシール(93102-20004)からは、まだオイル漏れしていなかったが、こちらからも漏れるらしいので、シールだけは用意しておく。
オイルシールの交換だけなら、5分もあれば終わるのだが、漏れたオイルの汚れ具合から、オイル交換をしたほうが良いと判断した。

で、オイル交換するなら、ついでに前からジャダーが気になっていたクラッチの整備もする事に。

まずドレンボルトを外してオイルを抜く。全ての作業が終わるまでは、ドレンボルトは開けっ放し。

廃油は予想以上に真っ黒だった。前回交換してから、さほど距離は走っていないというのに…オイルのエンジン洗浄成分がちゃんと仕事しているからなのか、単純に酸化が早いのか。

オイルが抜けたら、クラッチ側のクランクケースカバーを開けるのだが、作業しやすいように、ブレーキペダルと右側フートレストを外すのがセオリー。 私は完全に外してしまうのが面倒なので、作業の邪魔にならないようにずらせる程度にボルトを外す。

クランクケースカバーは11本のプラスネジで固定されている。
使われているネジの長さは場所によって異なるので、分かりやすいように、段ボールに穴を空けて、メモ書きしてネジを突き刺しておく。

それにしても、プラスネジって…
カムアウトしそうなぐらいガチガチに締まってるのが一か所だけだったので良かったものの、ネジ頭を潰しそうで怖い。この手のネジはT字レンチで回したいのだが、プラスの3番は持ってないんだよなぁ…

クランクケースカバーのネジを全て外しても、ダウエルピンが二本ほど引っかかっている上に、ガスケットが張り付いているので、なかなか外れてくれない。
クランクケース側から、カバーを叩く事ができる場所が3か所程あるので、車体の反対方向に回り込んで、ロングのマイナスドライバーをカバーに当てて、均一に軽く叩いていくと、漸くカバーが外れ始めるので、元に戻って、ゴムハンマーでカバーを叩きながら外していく。
ガスケットが千切れて、カバーやクランクケースに付着しているので、スクレーパーやカッターナイフ等で、綺麗に削ぎ落す。
 
今回削ぎ落したガスケットは紙のような金属のような、硬質な素材だったが、今回用意したガスケットは、ヤフオクで3千円程で買った、ガスケットセット。

クラッチケース以外のガスケットを使う機会があるのか分からないが、持っておいて損は無い…はず。
このセットのクランクケースカーバーのガスケットは紙。加工精度はレーザーでカットしているのか、問題無いレベルだと思う。

フリクションプレートは作業の前日からオイル漬けにしている。

純正のフリクションプレートではなくて、KIWAMIというメーカーの6枚セット(537-16321-00に該当 5枚)(36X-16321-00に該当 1枚)3240円を通販で買った。
ちなみにフリクション素材はコルクっぽいので、5MPではなく4JG準拠なのかな。
ネットを見ていると、紙素材の5MPとコルク素材の4JGでクラッチのタッチフィーリングが異なるらしい。4JGしか乗った事が無いので、紙素材のフリクションプレートのフィーリングに興味はあるが、その為だけにわざわざ高い純正品を買う気にはならない。次回クラッチの交換をする機会があって、予算の都合がつけば一度試してみようかなぁ程度。

クラッチスプリングを止めているボルト4本を取り外すと、プレッシャープレートが外れる。
クラッチボスからクラッチプレートやフリクションプレートを外していくのだが、再組付けの際に間違わないように、外した順番に並べておく。

予想はしていたが、クラッチボスとプライマリードリブンギヤの段付きが酷い。

最初、オイルストーンで均そうとしたのだが、酷すぎて埒が明かないので平鑢で削る。

ある程度段差が無くなった処で、オイルストーンで磨いておく。

あと、折角クラッチボスを取り外したので、セロー定番カスタムの穴あけを実施する。
最初、クラッチボスの回転方向を気にしてなかったので、オイル溜まりになりそうな隔壁の逆側に穴をあけてしまった。
4個程穴をあけてから気が付いて、再度あけ直し。
  

プライマリードリブンギヤとクラッチボスをクランクケースに取付、クラッチプレートとフリクションプレートを順番に組み付ける。
古いフリクションプレートの残厚は3mm以上。

使用限度は2.8mmなので、厚みには余裕があるみたいだが、写真の通り炭化が酷い。触っても石のように硬くてツルツルしているので、寿命だと思う事にした。
プレートの組み付け順は、奥から、
フリクションプレート1、クラッチプレート、フリクションプレート1、クラッチプレート、クラッチボススプリング、フリクションプレート2、クラッチプレート、フリクションプレート1、クラッチプレート、フリクションプレート1、クラッチプレート、フリクションプレート1
とクラッチボスに組み付けていく。
クラッチプレートに突起がある場合は、突起が重ならないように、角度をずらして組む必要があるらしいが、私のセローのクラッチプレートには突起は無かったから、何も考えずに組んでいく。
最後にプレッシャープレートを取り付ける際に、プッシュロッドのOリングを抜去してしまう。

これも定番カスタム。
4JGから5MPになった際にクラッチ回りに手が入っている部分の一つ。

クラッチスプリングも新品を購入していたので交換する。

古いスプリングの自由長は36.8mm。

使用限度は35.3mmなので、まだまだ使用可能。 これは予備として置いておく事にした。
ちなみに新品の自由長は37.4mm。


クラッチスプリングを取り付けた後に、クラッチプッシュレバーの手応え位置をクランクケースの溝に一致させるために、プッシュロッドの位置調整を行うのだが、今回は位置ズレは無かったので調整は無し。

ダウエルピンをクランクケース側に取り付けて、新品のパッキンに指で薄くエンジンオイルを塗布してから、ダウエルピンに引っかけてクランクケースに貼り付け。
クランクケースカバーをダウエルピンに真っすぐに入るように、取り付ける。
ゴムハンマーでクランクケースカバーを叩いて、クランクケースにしっかりと密着させたら、ボルトを対角に締め付けていって、クラッチの交換作業は終了。
パッキンにオイルを塗布したのは、「次回パッキンが綺麗に取れますように」という、気休め程度のおまじない。時間が経ってから開ける場合は大抵は役に立たないが、整備失敗してて直ぐに開ける場合なんかは役に立つ事もある。パッキンとしての密着性は落ちるだろうから、圧がかかる処には不向きかも。

ブレーキペダルと右側フートレストを元に戻しておく。

次にシフトペダル取付部のオイルシール交換。

シフトペダルのリンクをシャフトから外した後に、ドリルでオイルシールに穴をあけて、千枚通しや先の細いマイナスドライバーでこじって、オイルシールを取り外す。
シフトシャフトにメタルラバーを塗布して、新しいオイルシールを取り付ける。
シールの打ち込みはディープソケットがあれば、それを使って外周を均一に打ち込めば作業終了。

最後にドレンボルトを締めて、新しいオイルを注油する。
クラッチの慣らしが終わったぐらいで、近々にオイル交換する予定なので、フリクションプレートのオイル漬けに使ったオイルと、同じ銘柄の新油を混ぜて1Lにして使う。

で、昨日の神戸ツーリングに繋がるわけだが、今のところオイル漏れは再発していない。
クラッチのジャダーは完全に消えた。

今回の作業で、最も時間を要したのが、古いガスケットの削ぎ落し。次にプライマリードリブンギヤとクラッチボスの段付きの均し。本当に面倒くさい。

見えないフリをして、掃除だけして閉じた部品として、クランクケースカバーがあるのだが、オイル焼けみたいな、小汚い茶色の物体は何なんだろうか? 

塗装?みたいなのがひび割れて剥がれてきてるような気もするし。
いつもオイルフィルターに溜まっているゴミって、この辺りから発生してるんじゃないかと疑っている。

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