2022年3月30日水曜日

e-inkを使った時計

先日スマート時計について書いたが、性能的には満足しているものの、肝心の時間を知らしめるという機能において視認性が悪いというのは如何ともし難く、今度は視認性を重視した小型の時計を買ってみた。
候補に挙がったのは、7セグLEDを使った時計、バックライト付きの液晶時計、e-inkを使った時計だ。
実は前の二つは自動時刻合わせが付いていない物を既に所有していて、現在も使用中なのだが、サイズが少し大きいのと、LED時計は眩くてウザいとの家人からのクレームがあり、液晶はバックライトの有無に関わらず、見る角度によって視認性が著しく悪くなるという欠点があり、最終的にe-inkの時計という事になった。
で、e-inkを使った時計というのは、探してみれば分かると思うのだけれど、殆ど販売されていない。
私が求めている大きさの物となると、XIAOMIからしか発売されていなかった。しかも既に絶版な上に日本では未発売である。
とはいってもAliexpressでは、まだ普通に販売されているので、とりあえずLYWSD02MMCMHO-C303の2種類を購入した。

LYWSD02MMCはボタン電池2つで駆動し薄く軽い。MHO-C303は少し厚みがあるが、単3電池2本で駆動しアラームやタイマーをセットする事ができる。

何れもシャオミーのMi Homeというアプリケーション或いはMijia Bluetoothゲートウェイを使ってBluetooth4.0BLE経由で時刻合わせを行う。
温湿度計も内蔵していて、それらの内容も表示されているが、湿度は少し高く表示されている気がする。まぁこの辺りのセンサー系には元々期待していないので、ある程度の目安になれば良い。
BLE接続なので、時刻設定や離れた場所から温湿度を確認する事はできない。それがしたかったら、Mijia Bluetoothゲートウェイ経由で行う事になる。
上にも書いたが日本では未発売の商品なので、これの機器をMiHomeに登録するには「プロファイル」→「設定」→「ロケール」を「中国」にする必要がある。そうしないと機器検索時にデバイスが表示されない。
ロケールを中国にしても、時刻合わせ自体はスマートホンに表示されている時刻を渡すので、問題無く日本時間で調整される。

また、既にハイテクな諸兄がBLEで送受信されるデータのハックを済ませていて、RaspberryPi等でこれらの時計にアクセスして制御する方法を確立しているので、時刻合わせや温湿度を獲得するだけであれば、中国のサーバーに自分の情報を投げる必要は無いかもしれない。
個人的には既に中華デバイスだらけの我が家で、今更そこだけ気にしてもってな感じなので、素直にMijia Bluetoothゲートウェイを買った方が良いかなぁと考えている。そこまでしなくても、時間合わせだけなら、内蔵のRTCはそれなりに正確そうなので、適当な頻度でスマホで同期してやれば良い。

さて、肝心の時計としての機能だが、予想していたよりもかなり視認性が良い。 kindleみたいな画質を想像していたのだけれど、表示が単純だかなのか、もう少しコントラストが強い感じだ。 表示自体はあらゆる角度に於いて、画面が見えなくなる角度まで視認できる。
バックライトが無いので暗闇では見えないが、本の文字が見える程度の明るさがあれば問題無く時刻を確認できる。
ある程度大きい画面が欲しければKindle PaperwhiteやKoboをJailbreakしてゴチャゴチャすれば良いみたいだが、そこまでの大きさは求めていないしなぁ…

Amazonでも売ってるかなぁと探してみたが、今現在では販売されていないようだ。やはりMi Homeアプリのロケールを中国にしないとダメとか、そのあたりの説明が面倒くさいからだろうか。 e-inkを採用したデバイスというのはコストの問題なのか、思いのほか少ない。 amazonだとkindleとか温湿度計ぐらいかなぁ。

 

 

 

2022年3月27日日曜日

中華魚眼レンズ防犯カメラとデワープ

随分前から中華防犯カメラが売られていて、多分に漏れずセキュリティーホールやバックドアなんかの問題も発生しまくっているが、そこはローカル上で動かす分にはネットワークの設定次第である程度許容できる。逆に言えば、ネットワークの設定が分からないなら、カメラで写されている映像が全世界にバラまかれているという認識で使えという事なので、機密情報を扱う場所には使わないほうが良いだろう。ほかにはIoT機器を使ったDDoS攻撃の踏み台にされたりすることもあるので注意が必要だ。
国内ブランドや有名ブランドのカメラは結構な値段で、確かに信頼性や性能は良いのだけれど、クリティカルな用途で使う訳ではないので、そこまでの仕様は求めていない場合、やはり中華防犯カメラのお世話になる事が多い。
ここ数年で随分とセンサーの性能は向上していて画素数も増えたが、安価なSoCの性能や発熱の問題もあって、画素数が増える代わりにフレームレートが落ちる傾向にある。特にアメリカの輸出入規制にHiSiliconが引っかかっている影響が大きくて、発熱や性能的に劣るSoCの採用が増えているのも原因の一つだろう。
色々な安物カメラを買って使ってきた経験上、動きの無い風景を撮影するならフレームレートは然程必要ないけれど、ある程度動きのある物を撮影する場合は、画素数よりもフレームレートの方が重要だと感じる。
センサーの画素数が高くてもSoCの性能が低くて処理が追い付かず、ファームウェア上で少しフレームレートを上げただけでコマ落ちするようなカメラよりも、多少画素数が低くてもSoCの処理速度が十分でコマ落ちせず撮影できるカメラのほうが動いている物体の様子を明瞭に映してくれている。
そんなわけで、3MP以下で25fps出るようなカメラを探して購入しているのだけれど、最近の国内で売られているカメラの主流は5MPとか8MP等の高画素をうたい、実際に購入してみるとフレームレートがまともに出ないといった物ばかりで、目的の物を探すのにも苦労する。
解像度を落としてフレームレートを20fps程度まで上げるような設定ができるカメラがあれば良いのだが、そのようなカメラは殆ど見たことが無い。
AliExpressあたりで購入する際は使用されているセンサーやチップセットが記載されていたり、使用できるアプリや画面のハードコピーが表示されていたりするので、なんとなく性能やファームウェアの仕様がわかったりするのだが、国内大手ECサイトで販売されている物は、大抵の場合買ってみるまで分からないから、有名メーカー以外のカメラを買うのはかなり分の悪い博打になる。
そんな中で、自社で販売している中華カメラを実際に使用し良否を公開しているのが此方のショップで、安価中華カメラの情報源としては国内でも5指に入るのではないかと思っている。

知り合いの店の立ち上げに際して、広範囲を同時に撮影できるカメラが必要になったので、少し広角レンズのカメラ数台と、魚眼レンズのカメラを1台購入した。
広角レンズ程度の映像であれば、普通の閲覧ソフトで映像を確認すれば良いのだが、魚眼の場合、撮影された映像の一部を切り取り歪補正をかける「デワープ」という処理をしないと、非常に見え難い画像となる。
そのデワープ処理はカメラ側で補正チップを搭載している場合もあるが、再生ソフトと対になってソフト側でデワープ処理する事もできる。ただし、この場合カメラの仕様(画素数やレンズ特性等)に合わせなければならないので、カメラの機種はソフト側で対応している機種に限定されてしまう。
安価な中華NVRやIPCamで広く使われているXM社のCMS/VMSにもデワープ機能が備わっているが、使用できる機種は限定されており、上記ショップの方に使用できる機種を教えて頂いたので、そちらを購入してみた。
「K2-VR306-200W」という機種でXM社のCMS/VMSでデワープできる機種の中では比較的安価に購入できる。仕様等は鶴テックさんのBLOGを見て頂くとして、個人的に使ってみた感想は「そこそこ使える」だ。

メリットは
1.XM社のCMS/VMSでデワープできる
2.XM社仕様のNVRが使用できる
3.無線LANなので電源があれば取付できる

デメリットは
1.無線LANしか無いのでPoEで接続出来ず、接続安定性は無線LANの具合に左右される
2.レンズが1.44mmで魚眼というには少し画角が狭い為、天井が低いと映せる範囲が狭くなる
3.昼夜切替がCDSではなく映像検知式なので、環境照度の遷移状況によっては、稀にIRカットフィルタが誤作動する

というわけで、使用する環境にマッチすれば、無料で使えるCMS/VMSでデワープできるのは大きな強みだろう。
ただ、知り合いの店舗の天井高さでは映せる範囲が狭く、照明や無線LANの環境もあまり良くないので、ミスマッチとなってしまった。
これを天井が高く、無線LANの行き届いている工場の天井に取り付けた所、丁度良い具合だったので、結局のところ取り付ける場所次第か。

ちなみにNASメーカーのQNAPの「QVR Pro」やSynologyの「Surveillance Station」にもデワープ機能は備わっていていて、デワープに対応しているカメラを登録すれば普通にデワープできる。
これらのメーカーの一番安いNASでも2デバイス分のライセンスがあるので、興味があるなら試しに使用してみると良いと思う。
安価な組み合わせでお勧めなのは、synology Surveillance StationとTP-Link TL-IPC55AEの組み合わせ。画素数が高い割には15fps出るし、魚眼レンズに1.1mmの物が使用されていて画角が広い為、天井が低くてもそれなりに使える。ただし、日本ではTP-Link謹製のソフトは使えないので、先のNAS以外で使用する場合は、ただの魚眼ONVIFカメラとして使用する事になる為、注意が必要。
カメラの値段はAliExpressで7千円程度だから、ちょっと高いかなぁといった程度だろう。
もう少しお金をかけても良いならHikvision DS-2CD3955FWD-IWS(1.16mm)とかDahua IPC-EW5541-AS(1.4mm)なんかも良さそうだし、もっとお金をかけられるなら、AXISやPanasonicのカメラも良いと思う。
何れにしてもデワープできるかどうかはソフト次第なので、メーカー謹製のソフト以外を使うのであれば、対応機種の確認は必須だろう。

個人的には、そこそこの性能のsynologyのNASとSurveillance Stationの追加ライセンス+大手メーカーのカメラの組み合わせが、安定性とか使い勝手の面で良さそうに思えるのだが、如何せん予算が無いのと10台以上の台数を繋いで試した事が無いので分からない。
実際に大量の台数を接続して使用している人がいたら、使い勝手等を教えて欲しい。

 

 

 

 

 

 

小型のスマート時計

自宅の家電を少しずつスマート化していっている。とはいっても、スマート家電を買う程ではない。
とりあえず全ての部屋にalexa echoシリーズの何かしらを置いて、どこの部屋に居ても音声で制御できるようにした。
ダウンライトのような赤外線制御できない電灯はスマート電球に交換したが、その他諸々の赤外線リモコンで制御する家電に関しては、スマートIRリモコンを各所に置く事で対応している。
数年前まではRATOCやeRemoto miniのような物を使っていたのだが、いまいち赤外線の反応が悪く、何度もAlexaに命令するのが面倒くさくなって使わなくなっていった。
そんな感じでスマートスピーカーマイクでの赤外線制御は半ば忘れかけていたのだけれど、先日ふとNTPで時刻合わせしてくれる小型の時計が欲しいと思い立って、例によってAliexpressで購入
後からその時計を確認するとIRが内蔵されていて、赤外線リモコンにもなるという事が分かった。ミドルウェアはTuyaなので、AlexaやGoogleHomeにも対応している。
で、この赤外線リモコン機能を試してみた処、今まで使っていたスマートIRリモコンよりも反応が良かったので、また家電のスマート化を推進していこうと思った次第だ。

ちなみにこの時計は温湿度計も兼ねているので、家電制御にその情報を使う事もできる。スマートスピーカーに現在の温湿度を喋らせる事も可能だ。
惜しいのはUSB給電なのに、液晶にバックライトが内蔵されていない事で、肝心の液晶の表示が非常に見え難い事だろう。
スマートスピーカー、スマート電球、スマートコンセント、スマートリモコン、その他諸々で通信量自体は微々たる物だが、接続数だけは結構な数になってきた。無線LANのアクセスポイントがショボいとその内破綻しそうな気がする。
ちなみにこの時計、amazonだとaliexpressの3倍ぐらいの値段で売られている。どうせ発送は中国からだろうから、出所は変わらないだろうに…

 

 

2022年3月10日木曜日

Synology Surveillance Stationで外付けのハードディスクドライブに録画する

SynologyのSurveillance Stationを使う際に録画データがそれほど重要ではなく、「とりあえず録画出来ていれば良いかなぁ」という程度であれば、NASに内蔵されている高速なHDDではなく外部接続されたUSB HDDに録画したくなる。
しかしSynologyのポリシーなのか何なのか分からないが、外付けデバイスには録画する事が出来ないようになっている。これはUSB、eSATAどちらも駄目だ。
同じような考えの人は多く居るようで、少し調べたらSynology Communityでも度々話題にあがっているようで、既に応急的な対策も書かれていた

結局のところ内蔵HDDのボリュームしか選択する事ができないのだから、外付HDDのボリュームを内蔵HDDのディレクトリにマウントしてしまえば良いじゃないか。という話だ。
順序としては、

1.外付HDDを接続してDSMに認識させて、フォーマット

2.内蔵HDDのボリュームに適当な共有ディレクトリを作成して(今回はsurveillance_mountとする)

3.SSHでNASにログイン

4-1.eSATAの場合 sudo mount -o bind /volumeSATA1/satashare1-1 /volume1/surveillance_mount
4-2.USBの場合  sudo mount -o bind /volumeUSB1/usbshare /volume1/surveillance_mount
マウント元、マウント先の名前はシステムによって多少変わる。

5.sudo touch /etc/rc.local

6.sudo chmod 766 /etc/rc.local

7-1.eSATAの場合 while [ ! -d /volumeSATA1/satashare1-1 ]; do sleep 1; done; mount -o bind /volumeSATA1/satashare1-1 /volume1/surveillance_mount &
7-2.USBの場合  while [ ! -d /volumeUSB1/usbshare ]; do sleep 1; done; mount -o bind /volumeUSB1/usbshare /volume1/surveillance_mount &

8.sudo chmod 755 /etc/rc.local

といった感じで、surveillance_mountフォルダーに外付HDDのフォルダをマウントする。 外付HDDに適当にファイルを作ってみて、surveillance_mountフォルダーを確認した際に同様の状態になっていればOK。
Surveillance Stationのスナップショット保管先と録画先をsurveillance_mountに設定してやれば、スナップショットや録画データは外付HDDに保存される。

コミュニティの中のコメントにもあったが、こんな下らないポリシーなんかさっさと廃止して欲しいし、どうしても不具合が心配なら保存先に外付HDDを選んだ際に警告文を表示させれば良いだけだろう。