2016年10月4日火曜日

XT225 スイングアームのピボットをベアリング化

セロー225の定番カスタムの一つとして、スイングアームのピボットを樹脂ブッシュからベアリングに交換するというものがある。
この部分はグリースガン用のニップルがついているものの、ブッシュに刻まれたスパイラル状のスリットにしかグリスが入らず、内部の金属製のカラーが油脂不足で摩耗するらしい。

さて、スイングアームの脱着は大抵のバイクで面倒な作業だが、多分に漏れずセローにおいても非常に面倒くさい。
タイヤやチェーンはさっさと外してしまって、ブレーキキャリパーは邪魔にならないところにぶら下げておく。
スイングアームを取り外した後でなければ、リンクのロッカーアームの取り外しができないので、まずはサスペンションやリンクの下端のネジを外して、スイングアームがフリーになるようにする。
スイングアームの動きがフリーになったら、ピボット部分のボルトを取り外す。
また、それらを取り外すにあたり、リヤブレーキのマスターシリンダーが邪魔になるので、それも取り外してやらなければならない。

スイングアームが外れたら、チェーンスライダーを外して、ロッカーアームのボルトを緩め、取り外す。

スイングアームのピボット部分には金属のカラーが挿入されているので、それを抜き取り、圧入されている樹脂ブッシュを叩き出す。
叩き出す際は、17mmのソケットとエクステンションバーを使用し、ピボットの内側から外側に向かって叩き出した。


ピボット外側の樹脂ブッシュは、ピボット部分の厚み調整とシール受けとして必要なので、ある程度差し込み部分を残して切断する。


今回使用したベアリングはNTNのHK1816LL。 これを左右のピボットに2個、計4個使用。


ピボット内側はゴムのシールがピボットと面一になるように、ベアリングを圧入。 ピボット外側は樹脂ブッシュが完全にピボット部分に填まる深さまで圧入する。


ちなみに元々付いていた金属製のカラーは予想通り摩耗していた。

見ての通り、グリスが充填されていた部分は問題無いようだが、樹脂カラーと接触していた部分は削れて凹んでいる。写真で見てピカピカに光っている部分が削れた部分。
指で触ると明らかに凹んでいるのがわかる。
KLX125のときは錆びが酷かったから、どうせ新品と交換だろうと思って、新しいカラーを購入しておいてよかった。


リンクは寝ぼけてヤフオクで落札してしまった綺麗なリンクがあったので、それと交換する事にした。

元から付いていたリンクは後でパーツ洗浄して予備としてとっておこう。


無事にベアリング化できたので、スイングアームを取り付けて、リンクのロッカーアームをとりつけ、サスペンション等を組み付ける。
……セローをバラした事のある諸兄は既に気付いていると思う。 そう、チェーンスライダーを付け忘れている。
セローのチェーンスライダーはスイングアームを外さないと装着できない上に、チェーンスライダーを付けると、ロッカーアームのボルトが隠れてしまって、締め付けられなくなるという欠陥構造。
面倒くさいが、チェーンスライダーが無いと、スイングアームが削れるだけなので、仕方なくスイングアームを取り外す。
チェーンスライダーを取り付けて、締め忘れや部品の付け忘れが無いか確認した後に、再度組み付け。
まだ交換してから、走りに行っていないし、サスペンションがへたってる事もあって、どれほど動きが変わったのかよくわからない。
ただ、今回バラした事で、殆どの部分が油脂不足だった事が判明したし、グリスガン用のニップルの動作確認もできたから、やって損は無かったかな?


あと予想通りではあるけれど、ほとんどの大きいネジ類がオーバートルクで締められていて、今回もKo-kenの600mmスピンナーハンドルと、KABOのロングギヤレンチが大いに活躍してくれた。

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