2013年7月15日月曜日

TS125R フロントフォークメンテナンス

長らく放置状態のTS125Rだけれど、昨日やっとフロントフォークのオイルを交換しました。
サービスマニュアル無しでの分解だったので、必要になりそうな情報はネットで検索して、ある程度アタリはつけていたものの、結局作業方法に関しては、分解しながら試行錯誤するという有様で、左右のメンテナンス完了までに6時間以上かかってたりします。
次回からは3時間もあればメンテナンスできるかな。
工場と違って、工具を出したり片づけたりで時間がかかるんですよね。特殊工具とか探しだすだけでも大変。 なので、滅多にしない作業をする際は、準備と後片付けに時間がかかります。

まずはタイヤ、フォークカバー、ブレーキキャリパー等を取り外します。必要な工具は+ドライバー、メガネやボックスの8mmと14mmと17mm、六角6mm…
屋外放置期間が長かったからなのか、そこら中のネジが固着してて、インパクトドライバーやインパクトレンチを使って、なんとか左側のフォークを外す事ができました。この時点で結構疲れる。


この先、左フォークと右フォークの写真が混ざりますが、構造は同じなので…
トップキャップボルトを外して、オイルを抜きます。 中のカートリッジとアウターの筒と、両方からオイルが出てくるから、フォークを伸ばした状態で、オイルパンに注がないと、かなりの確率でオイルをぶち撒けます。

ある程度オイルが抜けたら、オイルパンでオイルを受けつつ、ダストシールを先の細いマイナスドライバーでこじって外します。
すると、オイルシールを止めているクリップが見えるので、コイツも外してしまいます。

フォークの底にある、ボルトを外します。

これで、カートリッジが外れますが、大抵は固着しているので、フォークを浮かせた状態で、先ほど外したボルトの穴に3/8sqのエクステンションバーでもつっこんで、ハンマーで軽く叩いてやれば、外れます。固着していなければ、ボルトを外した時点で、カートリッジ部分が外れる筈です。カートリッジとスプリングをフォークから抜いてやれば、残りはアウターとインナーを分離させるだけ。
ちなみに、このボルト穴からもオイルが出てくるので、こぼさないように注意しましょう。
カートリッジを外したら、アウターとインナーがフリーになるので、縮めて、伸ばす際に勢いよく何度かスライドさせてやれば、インナーのスライドメタルやらオイルシールなんかと一緒に、アウターとインナーが分離します。
 
インナーの部品が付いている順番を間違えないように、しっかりとメモっておきましょう。
特にオイルシールは取り付ける向きを上下逆にすると、シールハンマーで叩いても、力が逃げて挿入できません。

上から、間違って買ったカートリッジ用のスライドメタル、オイルシール、ダストシール。
とりあえず、フォークのスライドメタルは使いまわす事にして、オイルシールとダストシールは新品に交換します。
と、まぁ、ここまでは私の拙い知識でも順調に進んだ部分です。
まず、このまま、アウターとインナーを合体。スライドメタルを打ち込み…って、アウターのストッパーが邪魔でメタルが入りません。なんだこれ…ストッパーは思いの外深いので、当然シールハンマーも届きません。
「いやいや、えぇ?」ってな感じです。 幸い、これも間違って買った新品のストッパーがあったので、構造を確認します。
なるほど、ネジでも何でもなくて、アウターフォークにハマってるだけか…って、こんなんで、止まるのか?凄いなぁ…
構造が分かれば、分解は簡単です。ゴム床にストッパーを打ち付けるだけ。
コレを、こうして、こうなる、訳です。
ちなみに、ストッパーを交換するには、アウターに付いているクリップを外せば、ストッパーを外す事が出来ます。
これに気がつくのに1時間を要しました。サービスマニュアルがあれば…まぁ、今更言っても仕方がありません。
インナーのスライドメタルはまだテフロン皮膜が十分に残っています。

アウターのスライドメタルは、インナーの錆をモロに受けるので、ボロボロですが、まぁ、まだ何とか使えるレベル。

これらをインナーフォークに取り付けて、インナーロッドをスライドさせる事で、アウターメタルを打ち込みます。

この際、オイルシールのクリップは邪魔なので外してます。後からでも取り付けできますしね。
次の難所はストッパーへのオイルシールの打ち込み。 まず、ストッパーを所定の位置まで、頑張って戻します。

この位置が所定の位置です。
そして、オイルシールをこのストッパーに打ち込むわけですが、一度外したストッパーはいとも簡単に外れてしまうのです。
そりゃあまぁ、人力ではめ込む事ができる程度の強度で止まってる訳ですし…そうは言っても、オイルシールを挿入しなければ、話になりません。
ここで、最初の注意事項です。オイルシールの向きを逆にしていると、一生入りません。 もしかしたら、挿入する方法があるのかもしれませんが、私には無理でした。 これに気付くのに1時間半。
最初は正しい向きでやってたんですけどね。どうにも入らないから、逆向きにしてやって、それでも入らなくて、最初の向きに戻して叩き込んだら、 案外すんなり入ったり…
コツは、オイルシールにシリコンスプレーかフォークオイルをガッツリ塗る事。ストッパーをしっかり保持する事。フォークは立てずに横向きに持った方が力を入れやすいって事。結局、最後は力技。
ここまでやっても、オイルシールを叩きこむ最中にストッパーがズレるので、直しながら叩き込みます。
オイルシールクリップを止める溝が見えるまで叩き込めたら、オイルシールクリップをインナーフォークに傷を付けないように取り付けて、ダストシールをストッパーに取り付けたら、合体終了。

カートリッジのスライドメタルを見たら、テフロン皮膜がボロボロだったので、間違って購入していた新品と交換。

スプリングとカートリッジのアウターをフォークに挿入して、カートリッジを挿入。
フォークを立てて、インナーの底にあるボルト穴から、カートリッジがフォークの底まで来ているか確認したら、ガスケットとボルトを取り付けて、カートリッジを固定。 立ててないと、カートリッジがフォークの上に行ってしまって、ボルトが締められないから注意しましょう。

いつもは油面でオイル量を測るんだけど、面倒くさいし、完全にバラしたから、オイルは完全に抜けたと想定して、規定オイル量の443cc入れる事にします。この量はネットで調べただけなので、合ってるのかどうか少し不安ですが…
オイルはアウターに入れるのではなく、カートリッジ内に入れる。 カートリッジのアウターを止めている蓋みたいなのを外して…ロッドをアウターに引っ掛けて、出来た隙間へオイルを流し込みます。 文章にすると分かり辛いなぁ…今度は写真に収めておこう。

インナーフォークの錆が、所々メッキを侵食してしまっているので、近いうちにまたオイル交換しないといけなくなるかもしれない。アウターのスライドメタルの状態も気になるし。
それにしても、SZR660も倒立フォークだったけど、なんか構造が全然違うのね。これで、減衰調整とか付いてたら、バラすだけでもうんざりしそうな気がするなぁ…フォークのメンテナンスって、結局、手と床が油まみれになるんだよなぁ…何かもっとスマートな方法って無いものかねぇ? 

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