2016年8月18日木曜日

XT225WE フロントブレーキのメンテナンス

先日タイヤ交換をした際に、フロントブレーキのマスターシリンダーからフルードが漏れた事を書いた。
ブレーキレバーを握るだけであれば、リザーバータンクに圧がかかることは無いので、漏れてきたりする事は無いのだが、安全装置の不具合は気持ちの良い物ではない。
TS125Rに付けているニッシンのマスターシリンダーを外して、セローに取り付けようかとも考えたが、山に入ると頻繁に転けるのでレバーを折ったり、リザーバータンクのホースが外れたりする事を考えると、どうにも乗り気になれない。
そんな感じでゴチャゴチャ考えていると、煙氏からトリッカーのマスターシリンダーを譲って頂けるとの、ありがたいお話。

 
これが頂いたトリッカーのマスター。
ブレーキレバーまで付いていて、しかも無茶苦茶綺麗。ほとんど新品なんじゃないのかな…

現在セローに付いているバンジョーボルトを使い回しても良かったのだけれど、折角なので新品を購入。
トリッカー用のバンジョーボルトは「90401-10172」で140円。セロー225用は「90401-10159」で184円。何が違うのか確認したかったので、マスターシリンダーはトリッカー用、キャリパー用はセロー用を購入した。
 

結局違いはボルトの頭の形状。
 
まぁ、この程度の違いなら、別にどっちでもいいかな。 セロー用のボルトの方が錆びた際に回しやすいというメリットはあるかもしれない。

バンジョーボルト用のワッシャーは「90201-10118」で59円。4JGとトリッカーの古い型式は同じ型番。
 

トリッカーの新しい物になると、「90430-10005」になって92円と単価が上がる。
無駄に高い物を買う必要は無いだろうから、これは安い方で。
正直なところ、1枚毎に個包装してるから、値段が跳ね上がるのであって、こんな物は2枚一組とか4枚一組で売ればいいのに。
そうすれば、もう少し安く売れるんじゃないだろうか。

ブレーキホースも結構ヤレてきていたので、これも交換。
4JG用は5000円以上するが、トリッカー用(5XT-25872-00)は3910円と少し安くて5cm程長い。
5cm長くても取り回しに苦労することは無いだろうという判断で、トリッカー用を注文した。
   

フロントキャリパーのピストンの動きは、結局小手先メンテナンスでは元に戻らなかったので、シールとピストンの新品(4JG-W0057-00 4050円)を購入して、オーバーホール。
  

念のためにブレーキスイッチの新品を買っておく。スイッチを外す際に爪を折ってしまう人が多いらしい。予備を持っていれば安心して作業できるだろう。
 

キャリパーのオーバーホールをする際、ブレーキピストンプライヤーでピストンが抜けると安易に考えていたので、先にフルードを抜いてキャリパーを外してしまったのが失敗だった。
手で押し込んでもビクともしないピストンが、そんな簡単に抜けるはずもなく、ピストンプライヤーとシリコーンスプレー等を使って、力業でピストンを取り外す羽目になった。
今度からピストンを外すときは、油圧で出来る限りピストンを出してから作業することにしよう。
古いピストンがキャリパーに付いている状態は、

こんな感じ。点錆びが出ているが、それほど気にする程では無い気がする。これぐらいなら、普通は簡易メンテでピストンはスムーズに動いてくれるのだが、これがさっぱり動かない。
で、
  
ピストンを外すとこんな感じ。 シールはともかく、ピストンが妙に焼けている気がするのだけれど、これが原因なのかな?よくわからない。
まぁ、古いピストンはピカールか何かで磨いてやれば再利用できそうな気がするので、予備部品入れに放り込んでおくとして、シールは消耗品なので交換。
自分でキャリパーのメンテナンスをすると、納得できるまで掃除できるので、自己満足度は高い。
  
オフロードバイクなので、キャリパーのボディーなど汚れていようが、傷だらけだろうが、どうでもいいが、ピストンシールの装着される溝に付着している、ゴムのカスや、ブラシで擦るぐらいでは取れない汚れ、白錆等を可能な限り除去。 シリンダー内もコンパウンドで磨いて、パーツクリーナーを缶の半分ぐらい使って掃除。 
それでも、シリンダー内のピストンが固着していた部分の変色は取れない。
ある程度満足したところで、新品のシールキットを取り付けて、新しいピストンを装着。 
ブレーキオーバーホールキットにピストングリースも付いているが、これよりもメタルラバーの方が滑りはいい。
キャリパーとシールの間に入るように付属のグリスを入れて、ピストンとシールが接する部分にはメタルラバーを塗布する。 
ピストンは指で出し入れできるぐらいスムーズに動作するので、ピストンを適当に往復させてシールを揉んでおく。
 
スライドピンは錆びも減りもなかったので、古いグリスを拭き取って、新しいウレアグリスを塗布して。 サポート側に装着。 
このキャリパーはサポート側にパッドを引っかけるタイプなので、パッドの装着が少し面倒くさい。

マスターシリンダーに新しいホースを取り付けて、古いホースと同じようにホースを引き回す。
流石に5cm長いだけあって、少々余り気味だが、途中で吸収できない程ではない。
 
キャリパーとホースを繋いで、車体への組み付けは完了。
  

今回は完全にフルードが抜けた状態になったので、最初はシリンジを使ってキャリパー側からフルードを注入。リザーバータンクまでフルードが上がってきたら、リザーバータンクにフルードを足して、エアー抜き開始。
バキュームでリザーバー側からキャリパーにフルードを引っ張ろうが、キャリパー側からフルードを押し込もうが、バイクの経路長だったら大差無いし、キャリパー内やホース中に滞留しているエアーを抜く手間は、あまり変わらない気がする。

で、試走。
キャリパー、ホース、どちらも剛性が低い上にパッドが腐っているのか、タッチはふにゃふにゃだし、初期制動は今ひとつ。 
元々、セローのブレーキはお世辞にも、よく効くブレーキでは無いから、安全運転でよろしくどうぞって感じだろうか…
まぁ、パッドを交換するだけでも初期制動のタッチは変わるかもしれない。 
お隣さんが、「セローはホース剛性が低すぎるから、ホースを交換するだけでも随分変わりますよ」と教えてくれたのだけど、今回購入したトリッカーのホースじゃあ、意味ないよなぁ。5cm伸びたぶん逆に剛性落ちてるだろうし。 
TS125Rのブレーキホースが一本余ってるから、試してみれば良いのだろうけど、山の中を走るなら、今ぐらいの効きで良さそうな気がするので、もうしばらく様子見。

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