2015年11月8日日曜日

OGK Kabuto オープンフェイスヘルメット ASAGI

先日…といっても半年以上前に、OGKのアサギを頂いた。所謂オープンフェイスのヘルメットで、インナーサンシェードが付いているタイプ。
これの対抗商品はSHOEIのJ-Cruiseだろう。 
随分前にJ-Cruseを購入して、現在どちらも使用中なので、比較してみたいと思う。

私の頭の大きさは、OGK、SHOEI共にサイズはLサイズ。ARAIだとXLになってしまうぐらいの頭の大きさ。
なので、実際に被る事ができるヘルメットを並べると、ARAIだけシェルサイズが大きくなる。
少しでも頭を小さく見せたいし、軽い方が良いので、SHOEIやOGKのヘルメットを選択する機会が増える。
ARAIのLサイズが被れるならARAIのシェルの方が小さく見えるんだけど、入らないモノは仕方がない。

さて、外観から比較してみよう。左がASAGIで右がJ-Cruise。 J-Cruiseが汚れてるのは最近行った長距離ツーリングで、かなりの虫を弾き飛ばしたからだ。
   
Lサイズのシェルの大きさは、ほぼ同じに見える。
Asagiのシェル(帽体)サイズは2サイズ(XS~LとXL~XXL)なので、小サイズでも帽体は比較的大きい。Lサイズなら他の国産メーカーと比べても差は無いといったところ。
J-Cruiseのシェルサイズは4サイズ(S,M,L,XLの4サイズ、SSはS、XXLはXLのチークパッドの厚みの違い)なので、頭の大きさがMサイズ以下で、少しでも頭を小さく見せたいとか、少しでも軽くしたいならJ-Cruiseの方が小さく軽くなる可能性がある。

シェル形状に関してはどちらのメーカーも空力特性を良くするための工夫が凝らされている。
前にエアロブレード3を借りて走った時にも書いたのだが、高速域でヘルメットの後方で起きる乱気流は意外と大きいから、空気の流れを考慮したヘルメットだと、高速ツーリングの際の肩や首のコリが幾分かマシになる。ただ、80km/h程度までだと効果は殆ど感じられないから、シグナスだと空力特性の恩恵には預かれないかな。
エアフローは双方甲乙付け難く、同程度の快適性。 オープンフェイスのヘルメットだから、風切音等の煩さはフルフェイスよりも大きくなるし、比較してもあまり意味がない。 どちらのヘルメットも安物のジェットヘルメットよりは十分に静かだが、順位をつけるなら、J-Cruseの方が耳の部分にまで内装が張られている分、静かに感じられる。

重量に関しては、体感できるほどの差は無い。
あまりアテにならないバネ量りでの実測値は、Asagi 1.54kg、J-Cruise 1.52kgといったところだった。
 
  

インナーサンシェードの出し入れはヘルメット左側のレバーで行うのは同じだが、レバーのスライド方向がJ-Cruseは斜め向きでAsagiが横向き。これは慣れの要素が大きいけれど、個人的にはJ-Cruiseの方が操作しやすいように感じた。

Asagiはインナーサンシェードにオプションがあって、標準装備のスモーク以外にシルバーミラーやブルーミラーに交換する事ができる。 今回頂いたヘルメットには何故かサンシェードが付いていなかったから、折角なのでブルーミラーのシールドを購入。OGKの純正オプションは比較的安価なので、消耗部品が買いやすい(セールで頻繁に安くなるし、割引率も高い)。
J-Cruiseはインナーサンバイザーは標準のスモークしか無いが、シールドに取り付ける庇(サンバイザー)を取付け可能。ただし、シールドもそれ用に交換しなければならない。
インナーサンバイザーの高さはJ-Cruiseの方が下の方までカバーされる感じがする。これはヘルメットの被り方にもよるし、頭の形にも左右されるが、Asagiのインナーサンシェードは被りが浅いと、サンシェードの下端が視界に入りやすくなってしまう。Asagiを装着する際は少し前に傾けたような感じで被るとサンシェードの位置が丁度良い感じになる。
基本的にはどちらのヘルメットも、メーターに視点を移すような場合は、インナーサンシェードの下端よりも下に視点がいく為、視界の明るさの変化を感じる事になるが、この違和感は使っているうち慣れる。

シールドは共に曇り止めシートの装着が可能で、OGKは「ピンロックシート」、SHOEIが「PINLOCK fog-free sheet」という名称で販売されている。供給元は同じなのに、何故名称を変える必要があるのかよくわからない。
オープンフェイスヘルメットのシールドはフルフェイスに比べて曇りにくいが、それでも冬場や梅雨時期は曇りやすくなるので、このシートは必須オプションだろう。
因みに、サンシェードとは逆に、Asagiを装着するのと同じようにJ-Cruiseを少し前傾気味に装着してしまうと、fog-free sheetの上端が視界に入ってきて煩わしい。
シールドの開閉機構については、J-Cruiseが無段階のものを採用していて、Shoeiのガタガタ煩いシールド開閉が嫌いだった私としては、素直に賞賛を送りたい。 Asagiは全閉から全開まで数段階のギヤ式だが、開閉音はShoeiのギヤ式よりは格段に静かで気になる程ではないし、必要十分だろう。
全開時のシールドのリフトアップ量はAsagiの方が少しだけ大きく開くが、どちらもシールドが視界に入るような事は無い。 

あご紐はどちらもラチェット式の金具が付いていて、慣れれば片手で脱着可能だが、手が空いてるなら両手で操作した方が早い。
いずれも、装着時はラチェット部分に相方を挿し込むだけだ。

ラチェット金具の相方はJ-Cruiseは金属製で、Asagiは樹脂製。 ラチェットの段数はAsagiの方が多いので、顎ひもで調整しなくても、ラチェットのみで、締付具合をある程度調整できるのは有りがたい。また、ヘルメットをタンクの上に置く際にも、樹脂製の方がタンクに傷を付けにくいと思う。
ラチェットの解除方法はAsagiはラチェットに付いている紐を引っ張ると解除、J-Cruiseはラチェット部分を下に押し下げると解除される。

厚手のグローブをしたままの操作であれば、Asagiの方がラチェットの解除はやりやすい。

あご紐についているヘルメットホルダーに引っ掛けるDリングは、J-CruiseよりもAsagiの方が断然使いやすい。
J-CruiseのDリングはヘルメット本体に近すぎて、シグナスのヘルメットホルダーに引っ掛ける事ができない。Asagiの方は考えられた場所にDリングが付いているので、普通にヘルメットホルダーに引っ掛ける事が可能だ。

ただ、スクーターのヘルメットホルダーがやたらと使い難いだけで、普通のバイクに付いているようなホルダーであれば、J-CruieのDリングの位置でも何ら問題は無い。

で、結局どっちが良いの?という事なんだけど、上記の細々したニュアンスを読み取っていけば分かると思うが、ヘルメット本体の快適性や性能だけ見れば、J-Cruiseの方が良い。 本当に些細な差の積み重ねなのだが、トータルで見ると、やはり造り込みの差が感じられる。 デザインはAsagiの方が好みなんだけど、このあたりは趣向の問題だろう。 
内装はSHOEIの方が柔らかく包み込まれる感じで、OGKはカッチリ抑えるような感じだろうか。 頭頂部のインナーの作りもSHOEIの方がアタリが柔らかい気がする。長髪であれば、また感じ方も違うのかもしれないが、短髪の私はインナーの形状の違いは思いのほかダイレクトに伝わる。


ただ、ここに値段という現実的な問題を加味するとどうだろう。
2015年11月現在、ネットでの実勢価格で、J-Cruiseは33000円前後、Asagiは19000円前後。 
今、どちらのヘルメットも持っておらず、どちらかを買うとなれば、Asagiに軍配が上がる可能性は非常に高い。J-CruiseよりもAsagiの方が優れている点も多いしね。
ヘルメットは自分の頭の値段だという話もあるが、この程度の性能差で14000円の差額をどう捉えるかは、各自の過去の経験や懐具合、他の安全装備を所持しているかどうか、ヘルメットと頭の形の相性等々で変わるだろう。

まぁ、どちらもひと昔前のオープンフェイスヘルメットとは比べものにならないぐらい、良くできたヘルメットなので、試着した上で装着感に不満が無ければ、買って損は無いと思う。

オージーケーカブト(OGK KABUTO) ヘルメット ASAGI パールホワイト L (59-60cm)
 
オージーケーカブト(OGK KABUTO)

 

ショウエイ(SHOEI) ヘルメットJ-CRUISE ルミナスホワイト L (59cm)
 
ショウエイ(SHOEI)

 

オージーケーカブト(OGK KABUTO) SAJ-P ピンロックシート クリア
 
オージーケーカブト(OGK KABUTO)

 

オージーケーカブト(OGK KABUTO) CF-1ミラーインナーサンシェード ブルーミラー
 
オージーケーカブト(OGK KABUTO)





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